デパートに学ぶ、安全デザインの工夫
デパートで目にする「避難経路図」。その「わかりやすさ」には、安全を支える多くの工夫が隠されていました。優れたポイントを簡潔にご紹介します。
1. 全館でデザインを統一
- 全ての階で、フォント、アイコン、レイアウトを完全に統一。
- 利用者はどの階にいても「同じルール」で、瞬時に情報を読み解くことができます。
2. 「階段の踊り場」にも設置
- エレベーターホールだけでなく、主要な避難経路である「階段の踊り場」にも設置。
- 避難の最中でも、自分のいる階層と次の経路を冷静に再確認できる、非常に戦略的な配置です。
3. 「今いる場所」がすぐわかる
- 「8F レストラン街のフロア」のように、まずフロア名が大きく明記されています。
- 図を見る前に、まず「自分がどこにいるか」を即座に認識できます。
4. 直感的な地図と色使い
- 店内を「区画(ピンク)」と「通路(白)」でシンプルに図式化。
- 最も重要な「現在地(赤丸)」と「避難経路(赤矢印)」は、目立つ「赤」で強調され、直感的に理解できます。
5. 誰でもわかるアイコンと英語併記
- 「化粧室」「電話」などは、一目でわかるピクトグラム(絵文字)を採用。
- 「Lavatory」「Telephone」といった英語も併記し、国籍を問わず情報が伝わるよう配慮されています。
まとめ: これらの小さな工夫の積み重ねが、万が一の際の「安心」と「迅速な避難」を支えています。













投稿者プロフィール

- 避難図研究所 所長
- グラフィックデザイン好きな40代。趣味は色んな地域へ行くこと。 「機能美は最高の安全性能」という言葉に共感し、特に避難経路図のような「いのちを守るデザイン」に強く魅了されています。
旅先で出会う、その土地ならではの機能的なデザインに触れるのが楽しみ。
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