こんにちは。
グラフィックデザイナーとして25年以上のキャリアを重ね、数え切れないほどの案内図やサイン計画に携わってきました。 私たち「hinanzu.com(避難図ドットコム)」では、単に設置義務を果たすだけでなく、「とっさの瞬間に、誰一人迷わせない」避難経路図こそが、真のデザインだと考えています。
今回は、当サイトの基準から見ても非常に完成度の高い、ある大学図書館・博物館施設の事例をご紹介します。「なぜこの図が優れているのか?」その秘密を、プロの視点で紐解いてみましょう。
1. 0.1秒で伝わる「色の引き算」
まず目を引くのが、徹底した配色のコントロールです。 建物の構造はグレーと白のモノトーンで情報を抑制し、命に関わる「避難ルート(矢印)」と「消火設備」だけを赤で強調しています。緊急時のパニック状態では、人間は複雑な情報を処理できません。この「赤」への視線誘導は、デザインの美しさであると同時に、生存率を高める機能美そのものです。
2. 直感を助ける「2.5次元」のナビゲーション
右下の階層図にご注目ください。単なる「3F」という文字情報だけでなく、建物の重なりをアイソメトリック(立体的な俯瞰図)で表現しています。 これにより、利用者は直感的に「自分が建物全体のどの高さにいるのか」を把握できます。平面図の弱点である「縦の位置関係」を見事に補完しており、大規模施設では必須の配慮と言えるでしょう。
3. 言語を超えたユニバーサルデザイン
hinanzu.comが重要視している「誰にでも伝わる」という点においても、この図は優秀です。日英併記はもちろん、JIS/ISO規格に準拠したピクトグラムを採用し、言語の壁を超えた設計になっています。
「避難経路図」は、インテリアの一部でありながら、最強の防災ツールでもあります。 hinanzu.comでは、こうした「美しさ」と「機能」を両立させた避難経路図の普及を目指し、今後も優れた事例やノウハウを発信していきます。あなたの施設の掲示物、今一度見直してみませんか?





引用元:金沢大学附属図書館|災害時避難経路図
投稿者プロフィール

- 避難図研究所 所長
- グラフィックデザイン好きな40代。趣味は色んな地域へ行くこと。 「機能美は最高の安全性能」という言葉に共感し、特に避難経路図のような「いのちを守るデザイン」に強く魅了されています。
旅先で出会う、その土地ならではの機能的なデザインに触れるのが楽しみ。



