石川県金沢市内のデザイナーズオフィスビルで、思わず足を止めてしまうほど美しい「避難経路図」に出会いました。
避難図紹介・作成サイト「hinanzu.com」を運営する私が、25年以上のグラフィックデザイナーとしての視点から、なぜこのサインが優れているのかを解説します。
「おしゃれな避難図を作りたい」「オフィスの景観を損ねたくない」と考えているビルオーナー様や設計者の方は必見です。

情報の「引き算」が生む圧倒的な視認性
優れたデザインは、何を足すかではなく「何を引くか」で決まります。
- 配色の妙
建物の構造図は繊細なグレーで抑え、緊急時に命綱となる「現在地(赤)」と「避難ルート(緑)」だけが浮き出る配色計画。 - ノイズの排除
情報を詰め込みすぎず、直感的に「どこへ逃げればいいか」がわかるミニマルな構成です。
アクリル×コンクリートが織りなす「品格」
マテリアル(素材)選びに、設計者のこだわりを感じます。
- 高級感の演出
コンクリート打ちっ放しの無機質な壁面に、透明度の高いアクリルパネルを合わせることで、空間に「艶」と「奥行き」を与えています。 - 空間との調和
既存のインテリアを邪魔せず、かつ存在感を放つ。これは単なる掲示物ではなく、建築の一部として機能しています。
防災設備との連携による「機能美」
デザイン性だけでなく、防災サインとしての機能も計算されています。
- 明確なゾーニング
消火栓・消火器ボックスの真上に配置することで、「あそこが防災拠点である」という認識を強めています。 - 色彩のリンク
消火設備の赤と、避難図内の「現在地(赤)」がリンクし、緊急時の視線誘導をスムーズにしています。
光と影を味方にするプロの技
ここからは、少しマニアックな視点です。
- 可読性の確保
化粧ビスでアクリルを壁から浮かせることで、文字の影が壁に落ち、透明素材でも文字がくっきりと読めるよう工夫されています。 - ユニバーサルデザイン
英語併記とピクトグラムのバランスも完璧。国際観光都市・金沢にふさわしいサイン計画です。

まとめ
「命を守る情報」こそ、美しく、機能的に。
この事例は、私たちが目指すべき避難図デザインの理想形の一つです。hinanzu.comでも、こうした機能美あふれる避難図の普及に努めてまいります。

投稿者プロフィール

- 避難図研究所 所長
- グラフィックデザイン好きな40代。趣味は色んな地域へ行くこと。 「機能美は最高の安全性能」という言葉に共感し、特に避難経路図のような「いのちを守るデザイン」に強く魅了されています。
旅先で出会う、その土地ならではの機能的なデザインに触れるのが楽しみ。



